ユネスコの第一回 無形文化遺産に登録された能楽は世界に誇る日本の代表的な舞台芸術です。
能楽とは、演劇と舞、音楽(謡・器楽)によって成り立っている総合芸術です。
その内の器楽を担当する演者を囃子方と言います。楽器の種類は笛・小鼓・大鼓・太鼓があり、
これを総称して四拍子(しびょうし)と言います。
それぞれの楽器に専門の演奏者がいて伝統の奏法を伝えています。

フエ

すす竹で作られた横笛です。
歌口(息を吹き入れる部分)と指穴の間に薄い管を挿入した「ノド」といわれる特殊な構造を持っています。
この構造により非常に力強い音色がでます。
西洋音楽とは違う音階(五線譜にはあらわせない)が、幽玄の世界へと誘います。

小鼓

コツヅミ

二枚の馬皮の間に桜材の胴をはさみ、調べ緒という麻製の紐を通した組み立て式の打楽器です。
調べ緒の握り具合を変えることで様々な音色を奏でられます。
裏皮に貼った和紙に湿り気を与えたり、皮に息を吐きかけたりして湿度を調整しながら演奏します。
柔らかく妙なる音色が魅力の代表的な和楽器です。

大鼓

オオツヅミ

小鼓と同じ材質とおなじ構造ですが、乾燥を必要とします。
演奏前に皮を炭火にあて乾燥させて、調べ緒をきつく締め上げて組み立てます。
非常に鋭く高い音が鳴ります。
大変堅い皮を手で打つため、指皮というプロテクターを右手にはめて演奏します。
圧倒的な迫力ある音が聞く者を魅了します。

太鼓

タイコ

二枚の牛皮にケヤキ材の胴をはさみ、調べ緒という麻製の紐を通した締太鼓で、台にかけて撥で打ちます。
太鼓は両手に持った撥で演奏するため、小鼓・大鼓に比べ音の数が多く、
曲の終盤のクライマックス部分に演奏します。
曲によっては太鼓を使用しない曲もあります。
リズミカルで華やかな演奏法、格好良い打ち様が見る者を惹きつけます。

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