現在の日本における音楽状況を見渡してみますと、古典から、ポピュラー、前衛を問わず、殆どがヨーロッパないしアメリカ由来の音楽が中心となり、 コンサート、テレビはもちろん、街中のBGMに至るまで、あらゆるシーンに満ち溢れています。
さて、能楽の囃子は、能を離れてそれだけで演奏しても、十分に鑑賞できる高い芸術性を持っています。
伝統芸能と呼ばれるため、古いイメージを持たれますが、能楽囃子は単に伝統の維持だけのために、六百年間継承されてきたわけではありません。 室町時代には室町時代の、江戸期には江戸期の、そして現代には現代のニーズに応える、 その時代と共に生きてきた現代芸術なのです。
同明会は「この国のクラシック」と言える、高度に洗練された能楽囃子を、一つの優れた音楽領域として、多くの方々に楽しんでいただきたいと思い、様々な形態での催しを企画制作しています。